実際のところ、大学選びにおいて、費用面を無視することはできないものです。なので、今回のコンテンツでは、大学の入試〜卒業までにかかる費用をまとめています。
「大学進学って、結局いくらくらいかかるの?」 「うちの家計で大丈夫かな…」 「奨学金ってどうやってもらえるの?」
こんな疑問や不安が解消できる内容になっています。
今、大学生の2人に1人が何らかの支援制度を利用しています。つまり、家計に不安があっても、様々な選択肢があるということなんです。
このコンテンツは、以下の構成で解説しています。
<第1部:必要な費用を知る>
- 入学までの費用
- 入学時・在学中の学費
- 生活にかかる費用
- 特別にかかる可能性のある費用
<第2部:利用できる経済的支援を知る>
- 給付型支援(返済不要)
- 貸与型支援(要返済)
- その他の支援制度
これらの費用や支援制度は、以下の要因によって大きく変わってきます。
- 国公立大学か私立大学か
- 文系か理系か
- 自宅から通えるか、一人暮らしが必要か
- 世帯の所得状況
- 学業成績
- 留学や資格取得の予定
今回は、具体的な試算例も示しながら、皆さんの状況に合わせて必要な情報が見つけられるよう、詳しく解説していきます。
それでは、まず第1部から、具体的な費用を見ていきましょう。
受験で必要となる費用
まずは受験で必要となる費用から見ていきましょう。
入学検定料(受験料)の詳細
受験料は出願する大学や入試方式によって変わってきます。
主な受験料一覧
共通テスト
- 3教科以上:18,000円
- 2教科以下:12,000円
国公立大学
- 特別選抜(9〜12月実施):17,000〜35,000円
- 一般選抜の個別試験:約17,000円 ※医学部などの特定の学部は金額が異なる場合があります
私立大学
- 一般選抜(大学個別試験):30,000〜35,000円
- 医学部:40,000〜60,000円
- 共通テスト利用入試:約15,000円
受験回数と総額の関係
例えば、典型的な受験パターンを見てみましょう。
パターン1:私立文系3校+国公立1校
- 共通テスト:18,000円
- 私立大学3校:35,000円×3=105,000円
- 国公立大学:17,000円
合計:140,000円
パターン2:私立理系2校+国公立2校
- 共通テスト:18,000円
- 私立大学2校:35,000円×2=70,000円
- 国公立大学2校:17,000円×2=34,000円
合計:122,000円
英語外部試験
多くの大学で英語外部試験のスコアが必要になってきています。
<主な試験と費用>
- 英検
準1級:一次8,500円+二次13,000円
2級:一次5,800円+二次8,400円
※合格するまでに複数回受験することも - TOEFL iBT:26,840円
- IELTS:25,380円
- GTEC:14,850円
その他の受験関連費用
<交通費・宿泊費>
地方から都市部の大学を受験する場合、この費用が大きな負担になることも。
例:福岡から東京の大学を受験する場合
- 往復航空券:30,000〜50,000円
- 宿泊費(1泊):8,000〜12,000円
- 市内交通費:2,000円程度
1回の受験で4〜7万円程度必要
<受験対策費用>
- 参考書:1冊2,000〜3,000円
- 問題集:1冊1,000〜2,000円
- 模試:1回3,000〜5,000円
- 塾や予備校:月額2〜5万円
入学後にかかる費用
次に入学後にかかる費用について見ていきましょう。
初年度納付金
種別ごとに大きく費用が異なります。
<国立大学>
- 入学金:282,000円
- 授業料(年額):535,800円
- 施設設備費:30,000〜70,000円
初年度合計:約85万円
<公立大学>
※地域住民とそれ以外で金額が異なることも
- 入学金:141,000〜282,000円
- 授業料(年額):520,800円
- 施設設備費:30,000〜70,000円
初年度合計:70〜90万円
<私立大学>
学部によって大きく異なります。
○文系学部の場合
- 入学金:200,000〜300,000円
- 授業料:750,000〜900,000円
- 施設設備費:150,000〜250,000円
初年度合計:約120万円
○理系学部の場合
- 入学金:200,000〜300,000円
- 授業料:1,000,000〜1,200,000円
- 施設設備費:200,000〜300,000円
初年度合計:約160万円
○医歯系学部の場合
- 入学金:1,000,000〜1,500,000円
- 授業料:2,500,000〜3,000,000円
- 施設設備費:1,000,000〜1,500,000円
初年度合計:約490万円
生活費(月額)
生活費は、自宅通学か一人暮らしかで大きく変わってきます。実際の数字を見てみましょう。
<一人暮らしの場合:平均約12万4,000円/月>
- 家賃:67,000円
※地域によって大きく異なる(東京23区:8〜10万円、地方都市:4〜6万円) - 光熱費:10,000円
- 食費:30,000円
- 通信費:8,000円
- 交通費:5,000円
- 日用品費:4,000円
<自宅通学の場合:平均約3万8,000円/月>
- 交通費:15,000円
- 食費:10,000円
- 通信費:8,000円
- 日用品費:5,000円
入学時の準備費用(一人暮らしの場合)
入学時には、生活を始めるための初期費用も必要です。
- 敷金・礼金:246,700円
- 家具家電:150,000円
- 寝具類:30,000円
- 食器類:20,000円
- その他生活用品:119,000円
合計:約57万円
4年間の総費用試算
実際の例で見てみましょう。
<ケース1:私立文系・東京での一人暮らし>
- 初年度納付金:119万円
- 2〜4年次の学費:97万円×3年=291万円
- 生活費:12.4万円×48ヶ月=595.2万円
- 入学時準備費用:57万円
4年間総額:約1,062万円
<ケース2:国立理系・自宅通学>
- 初年度納付金:85万円
- 2〜4年次の学費:54万円×3年=162万円
- 生活費:3.8万円×48ヶ月=182.4万円
4年間総額:約429万円
<ケース3:公立文系・地方都市での一人暮らし>
- 初年度納付金:80万円
- 2〜4年次の学費:52万円×3年=156万円
- 生活費:9万円×48ヶ月=432万円
- 入学時準備費用:45万円
4年間総額:約713万円
特別にかかる可能性のある費用
人によって異なりますが、ここまで説明してきた費用とは別に以下の費用がかかるケースもあります。
<留学費用> 半年間の留学を例に
- 授業料:30〜100万円
- 滞在費:30〜50万円
- 渡航費:10〜20万円
- 保険料:5〜10万円
- その他:5〜10万円
合計:80〜190万円
<資格取得費用の例>
- 自動車運転免許:25〜35万円
- TOEIC:8,800円
- 簿記検定(2級):4,720円
- IT関連資格:1〜5万円
奨学金などの経済的支援制度
ここからは、経済的な支援としてどのようなものがあるのかについて詳しく解説していきます。
高等教育の修学支援新制度
2020年度からスタートしたこの制度は、意欲のある若者の進学を強力に後押しする画期的な支援制度です。
<支援内容>
①授業料・入学金の免除または減額
| 国公立大学 | 入学金:最大28.2万円 授業料:最大53.6万円(年額) |
|---|---|
| 私立大学 | 入学金:最大26万円 授業料:最大70万円(年額) |
②給付型奨学金(返済不要)
- 自宅通学:最大月額38,300円
- 自宅外通学:最大月額75,800円
<支援対象となる世帯収入の目安>
- 第Ⅰ区分(満額支援):年収270万円未満
- 第Ⅱ区分(2/3支援):年収300万円未満
- 第Ⅲ区分(1/3支援):年収380万円未満
※世帯構成により異なります
<2024年度からの拡充>
- 年収600万円程度までの多子世帯も対象に
- 理工農系学部の学生への支援強化
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
次に奨学金についてです。奨学金も様々なパターンがあります。
給付型奨学金
上記の高等教育の修学支援新制度と連動
第一種奨学金(無利子)
<月額>
・自宅通学:2万円、3万円、4万5千円から選択
・自宅外通学:2万円、3万円、4万円、5万1千円から選択
※最高月額は学部・家計基準により異なる
第二種奨学金(利子付き)
- 月額:2〜12万円(1万円単位で選択可)
- 利率:年3%を上限とした変動金利
※在学中は無利子
返済については以下の通りです。
- 返還期間:最長20年
- 月々の返還額の目安: 例)総額300万円借りた場合、月々約14,000円(20年返済)
- 返還困難な場合の救済制度あり
大学独自の支援制度
大学によって異なりますが、大学が独自に支援する制度を持っているケースも多くあります。例えば以下のようなものです。
<給付型奨学金の例>
- 成績優秀者への奨学金:年間20〜50万円
- 特別奨学生制度:授業料全額免除
- 家計急変者向け支援:30〜50万円
<その他の支援>
- 授業料の分割納付制度
- 兄弟姉妹の学費減免制度
- 地方出身者への住居費補助
- 学内ワークスタディ制度
地方公共団体による支援
地方公共団体からの支援もあります。
<地方自治体の奨学金制度>
- 給付額:月額1〜5万円程度
- 対象:地域在住者や地元大学への進学者
- 特徴:
– Uターン条件付きの返還免除制度
– 特定の職種への就職で返還免除
– 地域の産業振興に関連した支援
具体例としては、以下のようなものがあります。
- 東京都:月額5万円(給付)
- 北海道:月額4.5万円(無利子貸与)
※自治体により条件は大きく異なります
生活福祉資金貸付制度
生活福祉金貸付に関する制度もあります。
<教育支援費>
- 大学の場合:月額6.5万円以内
- 入学時の費用:50万円以内
- 特徴:
– 無利子または低金利
– 返済期間に余裕
– 母子家庭なども対象
その他の支援制度
<日本政策金融公庫の教育ローン>
- 融資限度額:450万円
- 金利:年1.90%(2023年12月現在)
- 返済期間:15年以内
- 特徴:
– 日本学生支援機構の奨学金との併用可
– 受験費用も対象
– 入学前から借り入れ可能
<民間金融機関の教育ローン>
- 融資限度額:500万円程度
- 金利:年2〜4%
- 返済期間:10〜15年
- 特徴:
– 審査が比較的厳格
– 金利は公庫より高め
– 大学と提携した制度も
具体的な活用例
具体的な活用例をいくつか見てみましょう。
ケース1:私立文系・東京での一人暮らし
<費用>
4年間総額1,062万円
<支援>
高等教育の修学支援新制度(第Ⅰ区分)
- 授業料免除:年間70万円×4年=280万円
- 入学金免除:26万円
- 給付型奨学金:月額7.5万円×48ヶ月=360万円
大学独自の奨学金
- 年間30万円×4年=120万円
<実質自己負担額>
276万円
ケース2:国立理系・自宅通学
<費用>
4年間総額429万円
<支援>
日本学生支援機構第一種奨学金
- 月額4.5万円×48ヶ月=216万円
地方自治体の奨学金
- 月額3万円×48ヶ月=144万円
<実質自己負担額>
69万円
支援制度活用のポイント
最後に支援制度を活用する際のポイントをまとめます。
①早めの情報収集
- 高校1年生から準備開始
- 学校の進路指導部への相談
- オープンキャンパスでの情報収集
②複数の支援制度の組み合わせ
- 給付型+貸与型の併用
- 国の制度+大学独自の制度
- 奨学金+教育ローン
③成績・課外活動の充実
- 成績優秀者向け奨学金のチャンス
- 特別選抜入試での学費減免可能性
④計画的な申請準備
- 必要書類の確認と準備
- 申請時期の把握
- 家計状況の証明書類の用意
確かに大学進学には多額の費用がかかりますが、様々な支援制度を上手に活用することで、夢への扉を開くことができます。
大切なのは、あきらめずに情報を集め、計画的に準備することです。分からないことがあれば、高校の先生や各機関の窓口に積極的に相談してください。

