今回のコンテンツでは、志望校選定を成功させるための具体的な3つのステップを詳しく説明していきます。
多くの高校生は
- 「偏差値だけで選ぶ」
- 「なんとなく有名だから」
- 「友達が行くから」
といった安易な選び方をしがちです。
実際、私の体感として、学生さんの9割くらいが、この「安易な選び方」をしています。その結果として、身にならない大学生活を過ごしているケースがほとんどです。
正しい選び方を知り、実践することで、充実した大学生活への第一歩を踏み出せるので、冷静に自分の人生にプラスになる決め方をしていきましょう!
なぜ志望校選定が重要なのか
選択の結果が及ぼす影響
志望校選定の重要性について、ある生徒の例を紹介したいと思います。
Aさんは成績上位者で、周囲からの期待も高く、偏差値重視で有名大学を選びました。しかし、入学後に「自分が本当に学びたかったことと違う」と気づき、結果的に学習意欲を失ってしまいました。毎日の授業が苦痛になり、成績も下がっていく中で、大学を辞めることも考えたほどです。
一方、Bさんは、偏差値は若干低めでしたが、自分の興味と将来の目標に合わせて大学を選びました。入学前から、その大学の特色ある環境プロジェクトに興味を持ち、オープンキャンパスで実際の研究室も見学。入学後は熱心に学び、学外のコンテストでも優秀な成績を収めました。その結果、充実した学生生活を送り、希望の環境コンサルティング企業にも内定を獲得しました。
大学選びが将来に与える影響
この2人の例からもわかるように、大学選びは単なる進学先の選択ではありません。それは、その後の4年間の学生生活の質を決定づけ、さらには卒業後のキャリアにまで大きな影響を与える重要な決断なのです。
しかし、ここで注意したいのは、「有名な大学」や「偏差値の高い大学」が常に正解というわけではないということです。大切なのは、自分のWillに合った大学を選ぶことです。
志望校選定をするときの評価軸
志望校を選ぶ際には、以下の7つの重要な評価軸があります。
- 学びのカリキュラム
- 学生の特徴
- 資格取得
- 卒業後の進路実績
- キャンパスライフ
- 立地
- 学費
それでは、各評価軸について詳しく見ていきましょう。
1. 学びのカリキュラム
これは、一つ前のコンテンツ「志望校選定における一丁目一番地の考え方」でお伝えした、Will実現のために得ておきたい3つの要素のうちの①②の話です。
参考:Will実現のために得ておきたい3つの要素
- 獲得すべき専門知識・スキル
- 経験しておくべき実践機会
- 刺激を受け、支え合う仲間
①②を得るために、ベストなカリキュラムを考えるということです。
同じ学部名であっても、大学によってカリキュラムの特色は大きく異なります。
例えば、情報工学部の場合、プログラミングの実践に重点を置く大学もあれば、数理的な理論研究を重視する大学もあります。また、1年次から専門科目が始まる大学もあれば、教養課程を重視する大学もあります。
「まだ具体的に学んでないから、どんなカリキュラムの大学/学部を選べばいいか分からないよ⋯」という声をよくもらいますが、そこで思考停止しても前には進めません。
進路選択とは、単に選ぶだけなのではなく、将来やりたいことについて学びを深めていくプロセスでもあるのです。
なので、分からないことは色々調べていくプロセスがとても大事です。少し大変に感じるかもしれませんが、それがWillに向かって突き進むということでもあるんです。
「志望校選定における一丁目一番地の考え方」の記事でもお伝えしましたが、カリキュラムの中身を確認する際には、以下のポイントが大切です。
- 理論だけでなく実践の機会もあるか
- 最新の研究や技術に触れる機会があるか
- 自分の興味に応じて学びを深められる選択科目があるか
- 第一線で活躍する教授陣から直接学べるか
また、実践経験について、確認する際には、以下が大事です。
- 実践機会の質と量は十分か
- 早い段階から実践に関われるか
- 実践を研究や次の活動に活かせる仕組みがあるか
2. 学生の特徴
こちらも、「Will実現のために得ておきたい3つの要素」の内容の一つです。3番目に紹介した観点です。
その大学に通う学生たちの特徴は、あなたの大学生活の質に大きな影響を与えます。
例えば、研究熱心な学生が多い大学では、放課後も自主的な研究会や勉強会が活発に行われています。一方、課外活動が盛んな大学では、部活やサークル、ボランティア活動などを通じて、幅広い経験を積むことができます。
学生の特徴は、入試方式の多様性にも表れます。AO入試や推薦入試が多い大学は、多様なバックグラウンドを持つ学生が集まる傾向があります。また、留学生の比率も、キャンパスの国際性を示す重要な指標となります。
あなたは周り5人の平均になる
You are the average of the five People you spend the most time with.
あなたは、最も一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる
Jim Rohn
アメリカの起業家であり一流コンサルタントだったジム・ローンが残した言葉です。
大学に入ってからどんな人になるのか、卒業するタイミングでどんな人になっているのか、それは共に過ごす仲間の影響を強く受けます。
Willで描いた「Be:なりたい自分」になれる仲間を選んでいきましょう。
3. 資格取得
描いたWillによりますが、Willを実現していくにあたり、資格が必要となることもあります。
例えば以下です。
- 臨床心理士
- 弁護士
- 教員
- 管理栄養士
- 調理師
- 事業用操縦士
こうした意味合いから、資格取得のサポート体制も、重要な評価ポイントです。大学在学中に様々な資格が取得できるよう、カリキュラムや講座が用意されている大学もあります。
例えば、教職課程を設置している大学では教員免許の取得が可能です。また、公認会計士や税理士などの国家資格の受験対策講座を開講している大学もあります。IT系の学部であれば、情報処理技術者試験対策なども充実していることが多いでしょう。
特に注目したいのは、資格取得のための具体的なサポート内容です。単に受験対策講座があるだけでなく、過去の合格実績や、在学中の取得率なども確認できるとベストでしょう。
4. 卒業後の進路実績
進路実績は、その大学での学びが社会でどのように評価されているかを示す重要な指標です。具体的には以下のような点に注目してください。
就職実績
- 業界別の就職状況
- 主な就職先企業
- 就職率の推移
- インターンシップ制度の有無
進学実績
- 大学院進学率
- 他大学院への進学状況
- 研究職への就職状況
また、就職支援体制も重要です。キャリアセンターの活動内容、個別相談の充実度、OB・OG訪問の機会なども確認しておけるとよいでしょう。
5. キャンパスライフ
4年間を過ごすキャンパスの環境は、学習意欲や生活の質に大きく影響します。以下のような点を総合的にチェックしましょう。
施設・設備
- 図書館(開館時間、貯蔵数など)
- 研究設備
- セミナーハウス
- 体育施設やトレーニングルーム
学生生活支援
- 食堂やカフェテリアの充実度
- サークル・部活動の種類と活動状況
- 学生寮の有無と条件
6. 立地
立地は、毎日の通学や学生生活の質に直結する重要な要素です。以下のような観点から評価してみましょう。
通学面
- 住まいからの所要時間
- 交通手段の選択肢
- 通学費用
周辺環境
- 住宅事情(一人暮らしの場合)
- 商業施設の充実度
- 治安の状況
- 文化施設へのアクセス
その他
- 都心部へのアクセス
特に意外と侮ってはいけないのが、都心部へのアクセスのしやすさです。学外での課外活動としてイベントや交流会への参加も学びや経験を増やす重要な要素です。
その多くは都心部で開催されます。インターンシップも都心部の方が数が多いからです。
7. 学費
4年間の総額を考えると、学費は現実的な検討材料として重要です。以下の費用を総合的に検討しましょう。
直接的な学費
- 入学金
- 授業料
- 施設設備費
- 実験実習費
関連費用
- 教科書代
- 通学費用
- 住居費(一人暮らしの場合)
- 課外活動費
また、奨学金制度や授業料免除制度なども併せて確認することが重要です。
学費については、早めに両親に相談をするようにしましょう。
志望校・学部選びの3つの具体的ステップ
3つのステップは以下です。
- 希望条件を整理する
- 検索してリストアップする
- 情報を集めて絞り込む
それぞれを具体的にみていきましょう。
【ステップ1】希望条件を整理する
優先順位をつける
上記の7つの評価軸に基づいて、自分の希望条件を整理していきましょう。優先順位付けとして2つのことを整理することをお勧めします。
一つは、シンプルに望む順番を決めるということです。7つの評価項目のなかでも、何を優先するかは人によって異なります。自分にとってベストな志望校を選ぶにあたっては、どんな順番で評価をすればよいのかを考えてみましょう。
二つ目は、レベル分類です。ここでは、条件を次の2つのレベルに分類することをお勧めします。
- 必須条件(絶対に譲れない条件)
- 参考条件(あれば望ましい条件)
この分類を行う際は、Willの実現を十分に考慮することが重要です。
現実との向き合い方
ここで注意したいのは、現在の学力や成績だけにとらわれすぎないということです。確かに、現実的な選択は必要ですが、努力次第で成長できる可能性も考慮に入れましょう。
特に、総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜を考えている場合は、現在の学力以外の要素も大きな意味を持ちます。自分の「強み」を生かせる入試方式を選ぶことで、可能性は大きく広がります。
【ステップ2】検索してリストアップする
効果的な検索方法
希望条件が整理できたら、実際に大学を探していきます。この段階では、以下のようなツールを活用しましょう。
それぞれ以下のような特徴がありますが、試しに検索をしてみて見やすいものを選ぶのがおすすめです。
- ベネッセコーポレーションが運営
- 幅広い情報範囲(大学基本情報、学べる内容、資格、就職先、オープンキャンパス、入試情報など)
- エリア、学問分野、偏差値など多様な条件で大学検索が可能
- 旺文社が運営
- 受験情報サイト市場で最大級のアクセス規模
- ユーザーの閲覧状況分析と多彩なセグメント化が可能
- リクルートが運営
- オンライン学習サービス「スタディサプリ」と連携
- 大学情報だけでなく、学習計画や進路相談などの機能もあり
- 在学生や卒業生による口コミ情報が充実
- 大学の評判や実態を知るのに役立つ
- 河合塾が運営
- 詳細な科目検索機能(受験科目を細かく指定して検索可能)
- 地図検索機能あり
- お気に入り登録・比較機能あり
検索のコツは、最初から条件を絞りすぎないことです。例えば「情報系の学部がある大学」というような大きな枠組みで検索し、徐々に絞っていくのがおすすめです。
【ステップ3】情報を集めて絞り込む
効果的な情報収集方法
リストアップした大学について、より詳細な情報を集めていきます。
以下のような情報源を活用しましょう。
- 大学の公式サイト
大学の公式サイトには、最も正確で詳細な情報が掲載されています。
特に、カリキュラムや研究内容、施設情報などは必ずチェックしましょう。
- パンフレット
大学のパンフレットは、必要な情報が一冊に分かりやすくまとめられています。
基本的に無料で請求できるので、気になる大学のパンフレットは必ず請求しましょう。
- YouTubeなどのSNS
最近は多くの大学がYouTubeなどのSNSなどで大学紹介動画を公開しています。
実際のキャンパスの様子や授業風景を見ることができます。
直接的な情報収集の機会
より具体的な情報を得るためには、以下のような機会を積極的に活用しましょう。
- オープンキャンパス
実際のキャンパスの雰囲気を体感できる最良の機会です。
可能な限り参加することをお勧めします。
- 先輩やOBOG訪問
実際に在学している先輩から話を聞くことで、リアルな情報を得ることができます。
高校に聞くと卒業生を紹介してくれたりする場合もあるので、相談してみましょう。
- 模擬授業体験
多くの大学が提供している模擬授業は、実際の授業の雰囲気を知る良い機会です。
志望する大学/学部の模擬授業がピンポイントで見つかる可能性はあまり高くないので、あれば参加するといった感じでOKです。
まとめ:成功する志望校選定のポイント
この記事では、志望校選定を成功させるための3つのステップと7つの評価軸について説明してきました。
7つの重要な評価軸
- 学びのカリキュラム:専門科目の構成、実習の充実度など
- 学生の特徴:学習意欲、課外活動の傾向など
- 資格取得:取得可能な資格、サポート体制
- 卒業後の進路実績:就職率、主な就職先、進学実績
- キャンパスライフ:施設・設備、学生生活支援
- 立地:通学のしやすさ、周辺環境
- 学費:4年間の総額、奨学金制度
3つの選定ステップ
- ステップ1:希望条件の整理 評価軸に基づいて必須条件、重要条件、参考条件を明確化
- ステップ2:大学のリストアップ 検索ツールを活用し、10〜20校程度をピックアップ
- ステップ3:詳細な情報収集 公式サイト、オープンキャンパス、先輩訪問などで具体的に調査
これらのステップを丁寧に実行することで、偏差値だけにとらわれない、自分に真に合った大学選びが実現できます。
焦らず、じっくりと時間をかけて、自分の将来を見据えた選択をしていきましょう。

